「もう家に帰してください…私の体から抜いたモーターも返してください。あれがないと体が重くて動けないんです」
地下室に捕らえられた少女は燃料補給にやってきた下男に言った。強引に拉致されて捕らえられてしまった少女は外界の事情が分からない。唯一情報を得られるのは、この定期的に食事と燃料補給にやってくる下男からだけだ。しかし、この下男はほとんど話さない。
「私、これからどうなるの?何か話してよ。こんな地下室でずっと過ごすのは、もう心が折れそうなの…」
少女はそう尋ねたが今回も返事はない。これまでも、何度も質問してきたが、ほとんど回答がない。下男は会話が苦手なのだろう。
「お前は…部品取り…」
下男は小声でつぶやいた。
「え?部品取りって?」
少女の質問に珍しく下男は答えた。
「お前は…お嬢様と同じ部品使ってる。お嬢様壊れた。だから、部品集めてる」
それだけ言うと、下男は去っていった。
「部品取りって・・・それじゃあ私は…」
終