復帰して以後、たくさんのイラストを寄せて頂いたマイピクのエノマーさん
user/13410381に、お礼としてリクエストをお受けしました。
頂いたキャプションと共に掲載させてもらいます。
***
メルネデ「追い詰めたわよ。」
ジール「抵抗さえしなければ命までは取りはしないわ、おとなしくしなさい。」
アーシア「さぁ、ここまでよ!」
『く、くそぉ……!』
山間に巧妙に隠ぺいした隠れ家で、とある違法ガスの製造をしている宇宙人の工場を突き止めたウルトラレディ、アーシア、メルネデ、そしてジール。
各々自慢の武器を使い用心棒の怪獣を倒し、逃げ出そうとする宇宙人の円盤をとらえようとしたその時。
『ここでつかまるわけにはいかねぇ、俺の最高傑作の最後の実験、お前らで試してやる!』
突如どこからともなく噴射された黄色い煙が、彼女たち3人を包み込んだ。
アーシア「え、何この煙?!」
ジール「げほっ、えほ!?」
メルネデ「こ、これは……まさか!」
目くらましか、と思いそれを振り払おうとする3人だが、それを吸い込んだ途端に、異変が起こる。
アーシア「……ぷっ。」
メルネデ「ふ、ふふっ……。」
ジール「あ、は……。」
煙でむせ返る3人が、武器を手から地面にこぼしてしまったと思ったら、
アーシア「あはははは!な、なにこれ……ははは!」
メルネデ「ふ、ふははは!はははははぁっ!」
ジール「わーっはっはっはっは!」
黄色い煙に包まれた3人が、突如立ったまま笑い出したのだ。
腹を抱えたり手を叩いたりしながら、ゲラゲラ笑う3人のウルトラレディがそこにいた。
『き、効いた!俺の発明は間違ってなかったんだ!』
アーシア「だ、ダメ、笑っちゃう!あーはははは!」
メルネデ「ふ、ふふふふ!お腹いたははははぁっ!」
ジール「はーっはっはっは、苦し、はーっはっはっはっは!」
笑うだけで反撃も抵抗もできない3人に、星人は味を占めて追撃をかける。
『そーれ、次だ!』
アーシア「はっはっはっは、うわ、駄目、やめて!」
メルネデ「ふぁーははははきゃあっ、いやだ!!」
ジール「ははははうわっ、うわ!?!」
今度は同じように青い煙が放たれ、笑っている3人に食らわせると。
アーシア「えーんえんえんえん!えーん!」
メルネデ「うぁーんあんあん!」
ジール「ふぇえええええんえんえん!」
さっきとは真逆のリアクション、つまり泣きだした。
特にジールは立っていられず、膝から崩れ落ちながら泣きだす。
メルネデはいまだ踏ん張っているが、アーシアもそろそろ限界といった具合だ。
カラータイマーもまだ青のままだが、ガスの効果が切れない限りどうなるかはわからない。
『さて、せっかくだからデータを取らせてもらうぞ!お前たちがどれだけガスに耐えきれるかをなぁ!』
そう言うと、再び黄色いガスが噴射され、
「「「あはははは!」」」
笑いだす。
そしてすぐさま青いガスが発射され、
「「「えーんえーん!!」」」
泣きだす。
そしてまたもう片方のガスが……!
アーシア「えーんあはは!えーんあはは!苦しい、ぐるじいいい!!」
メルネデ「あっはっはふえーん!もうダメ!死ぬ、あっはっはふえーん!笑って泣いて死んじゃうぅぅぅ!」
ジール「うああああん!あははは!うああああん!もうやめてええええ!!」
その繰り返しで、とうとうジールは倒れ、アーシアもへたり込む。
メルネデはいまだ立ったまま耐えるが、膝がガクガクしているようで限界が近いことを示している。
そしてついに、カラータイマーが点滅を始めた。
それでもガスの噴射は止まらないし、笑い泣きも止まらない。
『成功だ……!ウルトラヒロインにも通用するこのガスで、世界は俺のものだああああ!』
このガスこそ、この宇宙人の最高傑作。
今までは理論上だけだったウルトラレディたちの感情をも操れるガスの力は、皮肉にも当人たちの協力で証明された。
たぐいまれな精神力を持つ彼女たちをも餌食にしたそのガスは決して晴れることはなく、笑い泣きを繰り返すこととなる。
高かった陽が沈む頃まで、その合唱と途中から挿入されたタイマー音は止まることはなかった。
そして星人とガスを積んだ円盤は、悠々と別次元のウルトラレディ、イースと呼ばれる彼女にも毒牙を伸ばすことになる……。
***
久々の登場でいきなり大ピンチの三姉妹でしたw