コストダウンのためにメイドロイドのおっぱいに理想の弾力を持たせることを断念させられた研究員。
しかし彼女はいまだその野望を捨ててはいなかった。
かつての食品研究の中で、不思議な挙動をみせた物体に可能性を感じていたのだ。
スライムをウィンドストームで粉微塵にしてそれをファイアストームで焼いたとき、不思議な手触りの謎の物体がてきたことを彼女は覚えていた。
当時できた物体は、硬いゴムのようでいて、高い衝撃吸収緩和性能を持つ物体であった。耐久性に欠けるため素材としてもいったんは破棄された物体であったが、彼女はそれをさらに凍らせることで柔らかくなることを知っていたのだ。
(懲りない彼女はまたも研究所の床に落ちていた魔法石を蹴っ飛ばして研究室を氷漬けにしていた・・・)
それを元に彼女は研究を進め、ついに理想の弾力に限りなく近い物質を作り上げることの成功したのだ。
現時点では、素材として完成した後の加工が困難(刃物で切れないし、焼いたりするとカチカチになる)であること、素材は安価だが加工にはまだまだそれなりの費用が掛かるといった問題はあるが、以前の素材に比べると数百分の一のコストで済むのである。
こうして彼女はその野望への道を一歩進めることができた。
加工技術が完成すれば、量産型メイドロイドに理想の弾力のおっぱいをもたせることができるのだ‥‥彼女の奮闘は続いていく…