この作品はpixivファンタジア Scepter of Zeraldia【
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【PFSOZ】黄金樹の魔女見習いキリアと樹守の魔女シュカ【
illust/103149000】の魔女見習いキリアの15年後の姿。
身長185cm 体重215kg(身のうちにある金の重さ)
子供が飢える世界を滅ぼすことを決めた、アラディア院に所属する魔法農学の教授。
それがどれほどの奇跡を重ねたものか、知る者は少ない。
白痴の女神にして無辜の怪物。無限に黄金を産みだす樹の種。愛に狂う悍ましき魔女。
その罪は、避けられぬ別離と永遠の別れを拒絶し、『ここにいる』という間違いを犯したこと。
己の運命(星)に背を向け、泥に汚れ穢れた手で望む運命に手を伸ばし続ける。
たまたま愛した者たちが汎ヒト族のものであったから、たまたま汎ヒト族の側についた魔女。
その名が示す通り、ヒトであり、黄金樹であり、魔女。ゴールデンウィッチ、恐るべき黄金の魔女である。
普段は何食わぬ顔でアラディア院にて教職をしている。
助手は三人の悪魔、使い魔は一人の汎ヒト族。
自分が生み出す黄金を求めてやってくる者を、草のようになぎ倒すさまを見世物にし、余興として提供している。
魔法農学の学士としては、学会でも鼻をつままれる厄介者。
呼ばれてもいない学会に現れて、願われてもいない研究成果を発表し、高笑いして去っていく。
その研究成果が、あまりにも斬新で画期的であるため、それを読んで頭を掻きむしって無言で項垂れる学士は多い。
彼女が作り出した、荒地でも根を張る品種改良された麦は『魔女の黄金』と呼ばれている。
しかしこの魔女にも弱点はある。自分の過去の行いだ。
愛を求めて誰にでも黄金を産み続けたことは、今思い出してもふとんをかぶり枕を虐待しても足りないほど恥ずべき過去である。
未だ道半ば、彼女がどうなり、どう生きるかは、誰も知らないし、誰にもわからない。
己の運命に背を向けた、因果の報いは必ず訪れる。
それでも彼女は歩くのだ。ただ一度「掬って」貰った。それだけで、彼女の脚は止まらない。
止まらないのだ。