タグを付けると絵に蛍が舞うって聞いたので…
プロセカログ7(
illust/119279165)にすでにまとめてある絵だけど9/9まで限定で引っ張り出してきた
↓以下、1枚目「東雲怪談」をTwitterに載せた時のオマケSS
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東の空が明るくなる頃、あそこの階段には”人ならざる姉弟”が出るらしい。
「昔、女の子があそこで神隠しに遭ってね。その子の弟が毎日必死で探してたんだって。
だけどある日の夜明けに出たのを最後に彼も──」
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「妖怪のお面を被っていると本物の妖怪に連れて行かれなくて済むんだって」
そう笑いながら夏祭りで買ったお面を俺に被せた。なんだそりゃ、なんて俺も笑っていたが。
必要だったのはお前だったんじゃないか。お面を握りしめてあの階段へと走る。
この辺で姉を探していない場所はもう、あそこしかない。
変わり果てた姿の姉は俺のことも薄ぼんやりとしか覚えていないようだった。
それでもいい。俺は自ら微笑む姉の手を取った。
皮肉にも姉がくれたお面がお守りになったらしく、
俺にはツノが生えず、記憶や人らしい感情も保ったままだった。
姉も俺が近くにいることで少しは記憶を保てているようだ。
目の前の姉は姉であって姉じゃないのかもしれない。
それでも時々、知ってる笑顔を見せられるとたまらない気持ちになる。
「あきと、そら、きれい」
「…そうだな」
今日も東を見上げる。僅かに明るんだ空が姉を照らしていた。
夜から朝に変わるまで、その瞬間だけが俺たちの時間。
【東雲怪談・完】