本当は卒業とともにアイドルもやめて久々に出会った有村麻央が完全に“女”になってて「どうして」と思いたいし、「やっぱり、似合わないなって。」「諦めました」なんて苦しそうに笑う有村麻央が見たいし、そんな有村麻央はそれでも時折一人称が「ボク」になり、その度にバレないように眉間に皺を寄せているけれど自分は元プロデューサーだから全部察してしまって、「麻央さんは麻央さんのままでいいんですよ」って気休めにもならないことを言ってしまいそこで全てが決壊した有村麻央に「なんで今更そんなこと言うんですか、ボク……っ、わ、私は、私は………！」と目に涙をいっぱいに溜めて言われたいし、そんな有村麻央の顔を見ていられなくなって目を逸らした先に居心地の悪そうなスカートがあって欲しいし、気まずい沈黙の中で俯いていたら「……ごめんなさい、帰りますね」と掠れた声が頭上から降ってきて我に返り顔を上げるも手遅れで、去っていく有村麻央の悲しいほど女性的なシルエットの服と無理やり伸ばしたであろう綺麗な後ろ髪が揺れていて、自分と結露でびしょ濡れになったグラスがふたつと無造作に置かれた1000円札だけが残り、内蔵が冷えるような感覚とともにテーブルにできた水溜まりを睨みつけて、それから二度と会わなくなりたいけどそんなの見たくない；；になってしまったので夢オチにしました