ぼ「あっ遅くなりました」
り「大丈夫だよ、行こっか 」
駅の中から出てきたぼっちと合流して歩き始める、今日は久しぶりのご飯だからたのしみだ、まぁ普通のカフェじゃないみたいだけど
昨日の朝にポストに入っていたチラシの中に「○○割!店員の満足度で100%OFFも!?」というキャッチフレーズがたまたま目に入った。あやふやな感じでしか見てなかったけど100%OFFという言葉に惹かれ場所の確認だけして来たけどまぁ、大丈夫でしょ
しばらく地図を見ながら歩くと小さく古いいかにも老舗のようなカフェが見えてきた、多分ここだろう
「いらっしゃいませー、お好きな席にどうぞー」
中に入ると綺麗な女の人が案内をしてくれた
こういうのって渋いおじさんが案内してくれるものだと思っていたから何だか不思議な気分だ…
とりあえず席に座りメニューを広げることにした
ぼ「メニューは普通ですね」
り「そうだね、中身自体はいつも行く喫茶店とほとんど変わらないね」
メニューの中には特段珍しいものはなくカレーやナポリタンなどどこの店にもあるようなものばかりだ
ぼ「……それにしても…なんだか周りの雰囲気が変な気が…」
り「…」
辺りキョロキョロするぼっち…確かにどこを見てもイチャイチャしてるような男女がいる
これはどこからどう見てもカップルにしか見えないけどぼっちは奇跡的に気がついてないようだ、破裂とかされたら私一人だと修復は大変だから助かるけど
ぼ「あっ…私は唐揚げ定食と唐揚げカレーが気になります」
り「ぼっちは本当に唐揚げが好きだね、それじゃあ私はこのチーズカレーを頼もうかな…すみません」
「はーい」
り「唐揚げ定食と唐揚げカレー、それとチーズカレーをお願いします」
「分かりました、しばらくお待ちください」
綺麗な角度で頭を下げる店員
うん、ここの雰囲気はなんだか甘い気がするけど店員自体は愛想も良くていい感じだ
しばらくすると頼んだ商品が届いた
「お待たせしました」
ぼ「わぁ…美味しそう…!」
届いた唐揚げをキラキラした目で見つめるぼっち…普段の奇行が無ければ本当に可愛いのに…
そうだ、今のうちに店員に割引のことを聞いておかないと
り「すみません、チラシに乗っていた割引を見てきたのですけど」
「あ、チラシを見てきてくれた方ですね!ありがとうございます!」
り「よく見てなかったんですけどなんの割引なんですか?」
「え?知らずに来られたんですね…ここではカップル割を採用させてもらってます」
り/ぼ「!?!?」
唐揚げを眺めていたぼっちも驚いて同時に顔を合わせる…か、カップル割!?だから周りにはカップルが多かったのか…しまったな…タダになると思って財布とか置いてきたのに…ぼっちも…うん、慌ててる感じ的に払える金額はもってないみたいだ…こうなったら
「えっと…知らずに来られたのでしたら普通のお会計で…」
り「ごめんなさい、驚いただけです。私のぼっちは付き合ってるんです」
ぼ「えっ…!?」
「ゆ、百合のカップル…!?ごくり…こほん…そ、そうですか…ではお二人の愛し合ってるところを見せてもらって私の満足具合で割引を決めさせてもらいますね」
……やばい事になった…言葉で言うだけなら簡単だったけど行動となると難しいぞ…って今この人ごくりとか言わなかった?もしかして…やばい人なのでは…とりあえずは…
り「…ぼっち、はい」
ぼ「へ?」
り「口開けて、私のカレー食べさせてあげるから」
ぼ「あっ…は、はい…あーん…あっ美味しい」
「………」
り「んっ…それならそっちの唐揚げも1つ食べさせて」
ぼ「あっはい」
唐揚げを1つ取り私のお皿に置くぼっち…意味わかってる…?
り「…皿じゃなくて私にも食べさせて」
ぼ「あっすみません…どうぞ」
り「んっ…美味しい…」
「……」
ちらりと横を見るとさっきまでぼっちを見ている時の店長のような顔になっていた店員だったけど…私たちの状況を察したのか苦笑をしながら黙って見ていた
「えっと…だ、大丈夫ですよ!20%引きを付けさせてもらいますね!」
…気を利かせてしまったみたいだ…
だけどこれは困ってしまった…20%は嬉しいけどその払えるお金がないのだから
店員さんが帰ったあと私とぼっちは無言でご飯を食べ進めた
美味しいんだけどさっきのせいで味が分からない…お金の問題もあるしどうしようか…
色んな策を考えながら食べていたが現実は非情…気がつくと会計前に立っていた
「えーと…20%を使いまして合計は」
ぼ「あっあの!もう一回だけチャンスをください!」
「へ?」
金額が出る直前、ぼっちが大きな声をあげた
「チャンス…ですか?」
ぼ「はっはい!」
「…分かりました、もう一回だけお願いしてもいいですか?」
ぼっちの真剣な表情に負けもう一回だけすることに
でも店員が満足するようなことって何をするんだろう?
ぼ「…すみません、先輩」
り「ぼっち?…んんっ!?」
「おおー!」
何か覚悟を決めたような顔になったぼっちは私の肩に手を置いたと思うと…そのまま抱き寄せキスをされた
突然の事で何が起こったのか分からないでいると何故かぼっちはそのまま舌まで入れ始めた
り「んっ!?んん!!////」
ぼっちの顔が目の前に…しかも私が逃げられないように背中に手を回しながら必死に舌を絡ませてくる
気持ちよすぎて私の腰は完全に抜けぼっちに支えられてないと立てないくらいになってしまっていた
どれくらい経ったか分からなくなった頃…ようやく口を離し口と口に繋がった糸を拭きながら私を床に座らせるぼっち
ぼ「ぷはっ…あっ…その…どうですか?」
「もう大満足よ!!お会計は無料でいいわ!!!最高だったわ!!!!」
ぼ「あっありがとうございました!」
店員とぼっちが何か話している気がするけどもう私の頭には何も入らない…その後の記憶は無く…気がついたら私は家にいた
………私の初めてのキスだったのに…バカエロぼっち!!/////
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忙しすぎてSS書けない!!書き方忘れそう!…それにしてもカップル割を証明するのって難しいですよね!
書いてて楽しかった