【１ページ目 】
いよいよ今日から、待ちに待った『 痛みの樹海 』を探索しに行く。

知り合いの冒険者連中からは今だに踏破したという話題が出てこない。
私の名をより世に知らしめるためにぴったりな旅となるだろう。

周囲の村や町をめぐって捜査に必要な物資は十分に手に入れた。準備はまさに ” 万全 ” だ。

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【２ページ目 】
この森、遠目に観察する分にはそれほど特別なものには見えないが周囲の村人たちの間では物騒な噂話が絶えない。
やれ「 森近くを歩いていたら、ズタズタになった血みどろの大型獣が森側から吹っ飛んできた」やら「時折、獣の断末魔の叫び声がこだまする」などおっかないのばっかりだ。

しかし俺のパーティはそんな噂に臆するようなちっぽけな一団じゃあない。
必ず森を踏破してやろう。

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【３ページ目 】
森までの道中、とあるよぼよぼの老人に出会ったが、彼が目を真っ赤に見開いてものすごい形相で言っていた。

「 あ そ こ に だ け は 絶 対 に 行 く な ！ 地 獄 を 見 る こ と に な る ぞ ！！ 」

そんなことは百も承知だ。今まで何度も過酷な旅を成功させてきた。
今回も旅も有意義なものになるに決まっている。

必ず成功させてみせる。

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～ 行方不明になった、とある高名な冒険者パーティ一行の手記より。