この世は工場だ
道ゆく人が怖い　まるで工場のレーンから違和感を弾き出す職員のように、すれ違いざまに私の違和感を見つけては嗤いのネタにする

学校が怖い　30人がいる箱の中で欠陥品•歪品を探すゲームみたい
見つかったら、3年間は面白い玩具として遊ばされるから。存在しているだけでいつも嗤われてしまうから。
私はいかに正常品であるかと、つねに他の人に合わせいつも取り繕わなきゃいけない。

会社が怖い　従順で愛想が良くて、コスパの良い高性能のロボットじゃなきゃ。全ての行動が逐一品質チェックのランク付け。

あぁ　全ての災難は天からの耐久テストなのかもしれないな

インターネットが怖い　リサイクルショップのジャンク品コーナーで面白いジャンク品を漁るかのように日々人間の粗探し　珍しいジャンクなら大盛り上がり

いつ自分がジャンクになるかもしれないのに、そんなことも思わず
掘り出したジャンクをみんなで遊んで壊してまた壊して

ジャンクがなければあの正常品をわざと壊してジャンクにしちゃえばいいじゃない

世間が怖い
世間の決められた各基準の審査項目に沿わないと、世間のレーンから爪弾き　

一番は自分が怖い

あなたは私の一行動を全て24時間監視し、
社会部門の最終審査担当

審査期間は私の生涯保証期間まで

世間の常識、理想とされる仕事、人間性、思考

不用品にならないよう
『普通』のマニュアルは入念に読み込まなくちゃいけない

私なのに守ってもくれない
私なのに慰めてもくれない
私なのに助けてもくれない
『他人の事なんてどうでもいいよ』って優しい言葉も掛けてもくれない

私は欠陥品の人間なんだと
日々脳内で罵詈雑言、
常識という名のカリキュラムで日々教育指導

例え人を避け、世間から環境から離れても
私からは一生離れられない

道ゆく人が怖い
周囲の人が怖い
人間が怖い
世間が怖い
皆が怖い
私が怖い
もう何もかもが怖い

次の審査はなんだろう❓
どんなチェックをされるだろう❓
次の職員は誰だろう❓

否が応でもこのレーンは進んでいく