【座敷わらし】

XIX .THE SUN （太陽）
正＝成功/誕生/祝福/希望
逆＝落胆/衰退/堕胎/流産

【座敷童】
岩手県を中心に
（秋田をのぞく）東北各地に伝わる
屋敷に宿ると家運が栄え、去ると衰えるとされる
童姿のきまぐれな神様、精霊。

子供姿で無邪気で愛らしく
福を呼び込むとの言い伝えから人気のある妖怪で、
僕もそのファンのひとりなのですが。

…現実的な説をひとつ…

座敷童は
「宿ると　家が裕福になる妖怪」ではなく
「裕福な家だからこそ　居ることができる子供」という説。
これは妖怪でもなんでもなく
現実の　重たい話なのですが

昔（と言っても歴史的には近現代まで）
日本全国どこも貧しく
「いろいろな理由で」育てることができない子供は
生まれてすぐに「間引く」などして「なかったこと」にする事が
当たり前のように行われていたそうです。

しかし裕福であれば
地元への体裁か　何なのか…
理由はいろいろあるかもしれませんが
世間の目に触れさせたくない子供を
家の奥座敷で、なかば監禁状態であっても育てることができたでしょう。
そうした子供が、家人の目を盗んで外へ出てしまう
そんな姿を、近隣に住む人々に目撃され
「あのお屋敷に、あんな子供はいただろうか…？」
という話しになり、それが
「宿ると家が裕福になる　座敷童」ということになっていった…とする説。
また、「子供にしか見えない」という話も
地域の有力者が隠して育てている子供を
大人が「見た」「いた」などと言ってしまえばどんな制裁を受けるか分からない…
だから見えてても「いない」と言い張る。

もちろん
こんな世知辛い俗説では説明できない「座敷童談」もたくさんあり
（僕が好きな遠野物語でも）
岩手巡礼で泊めていただいたＳさんも
早池峰神社そばの小学校に泊まった際「見た！…気がする」
といった経験を話してくれましたし
本当にそうした精霊的な「何か」は居るのかもしれません。

…ただもし座敷童の一部が
隠されながらも育てられた子供であったとしても
その目撃談の多くが「幸せそうにニコニコ笑っていた」とのことで
きっと幸せだったのだろうと
テレビで子供の虐待がらみの耳を覆いたくなるようなニュースを聞くたびに
思うのです。