「ワタシは昔、キミの祖父に助けられたんだ」
そう、“海神”を名乗る異形の頭を持つ男は私に告げる。
「約束なんだ、末代まで祝ってやるってね」
それを言うなら呪う、ではないだろうか……まぁ、祖父のやらかしで呪われてはたまったもんじゃないけれど。
「つまりだね、キミが現時点での“末代”であり、次の子が産まれるまでワタシがキミを全ての災いから守護ると──そういうアレなのさ!」
胡散臭い男だったが、もし本当に神様なのであれば悪い話ではない?
そう思ったのも束の間、その後私はひどく後悔する事となるのであった……。
───稲村ネルコの日記より抜粋