中文标题 : 和雷电将军一起道德教育的约会
次回 :
illust/126153183「しばらくの間将軍の恋人役をして頂けないでしょうか?」
久しぶりに影と会って開口一番に言われた内容は、
そこらの三文軽小説よりも荒唐無稽な物であった。
話を聞けば将軍は少々厳格過ぎる所が有るので、
もう少し人の心に寄り添った判断が出来るように調整したいとの事だ。
だが、人形とはいえ将軍も人間と同じ感情を持つ個人、
その感情を変更する事は神の力を以てしても簡単には出来ない事。
何より一人の個人としての尊厳を大切にしたいと影は言う。
それで影と将軍の事情を知る自分に白羽の矢が立ったとの事だ。
影は以前、自分が作った存在との関係構築に失敗し、実質絶縁状態となっている。
もしかしたらその失敗の罪滅ぼしをしたいという感情が有るのかも知れない。
とは言った物の、正直自分は将軍に苦手意識を感じていた。
その情け容赦の無い性格から危うく命を奪われそうになった事も勿論理由の一つだし、
そもそも面識自体があまり無い。
数少ない知っている点は、食べ物の好みが影と同じ事位だ。
甘味処で将軍と話すと、彼女の印象は記憶よりも穏やかな物であった。
そして、彼女の過去に命を奪おうとした事への謝罪を受け入れると、
空気が和らぐのを感じる程に彼女の態度は穏やかな物になった。
将軍は自発的に行きたい所を提案をする事が無いのはやりにくさを感じたが、
基本的にはこちらの提案を受け入れてくれる事が多く、思ったよりも寛容な性格をしている事が分かって来た。
以前道を誤ってしまったとはいえ、目狩り令以前に稲妻で大きな内乱が無かったのは
彼女の人徳が大きかったのかも知れない。
将軍と恋人として付き合い始めて一か月になろうかというタイミングで、
宿でもう少し旅の話が聞きたいと将軍から提案された。
その言葉がどのような意味を持つのか問いただせば、
どうやら逢引きを重ねて感情値が一定に達していれば恋人と体の触れ合いをするよう設定されているとの事だ。
影は何を考えてこのような設定をしたのだろう?神の考える事は少し掴みにくい所がある。
そもそもその設定値は本当に適切なのだろうか?
だが、設定とはいえ彼女は自分の意に反する事は拒否する権限を与えられている筈。
「人形の身では女として不足ですか?かつてのお詫び…いえ、今回、私の見識を広げて頂いた礼に、
あなたの求める事は・・・何でもしてあげますよ」
視線を泳がせて普段よりも辿々しく言葉を紡ぐ彼女には、
既に厳格で近寄りがたい将軍の印象は感じられなかった。