ゲーム内イベントを改変した二次創作ストーリーも考えました
それはとある日の学園のロビーでの何気ないブルボンの日常会話から始まった…
ブルボン「マスター、私と手でハートマークを作っていただけますか。」
「昨日お父さんに電話で言われたのです。『トレーナー君と心を一つに頑張れ』と。
実行手段を調査した末、ファルコンさんからハンドサインをインプットしました。
一緒にポーズを取り、写真を取るらしいです。……マスター、よろしくお願いします。」
さすがにハートマークは抵抗がある…、しかし普段はほとんど頼み事をしないブルボンからの"おねがい"だったので…
トレーナー「写真を取るのは別にいいけど、誤解を与え兼ねないからお父さんや他の人に送るのは勘弁してほしいな…」
……そう、念を押しておいたのだが…
数日後、ブルボンの実家に呼び出され、以前訪問させてもらった時よりも更にこやかなブルボンのお父さんに丁重にもてなされ、
たった今、眼の前で「どうぞ末永く、うちの娘をよろしくお願いします…!」と、頭を深々と下げられてしまっている。
どうやらブルボンのお父さんは大変な誤解をしているらしい…。
お父さんに「少しブルボンと二人で話がしたい」と持ちかけたところ、ブルボンのお父さんは笑いながら
「そうか、そうか!邪魔をしちゃ悪いな…!あとは若い二人でごゆっくり…!」と、とてもうれしそうに席から離れていった。
真っ白になっている頭の中から慎重に言葉を選んでブルボンに話しかけた。
トレーナー「なあ、ブルボン。もしかしてあの写真を…?」
ブルボン「はい。見せました。マスターは他の人に見せるの勘弁してほしいとのことでしたので私の友人には見せるのを控えましたが、
お父さんからは『トレーナー君と心を一つに頑張れ』というミッションが与えられていましたので…。
これでお父さんとのミッションは達成されました。」
トレーナー「…うん、そうか。でも、その写真の影響でお父さんはだいぶ誤解をされてしまったようだ…」
ブルボン「…? "誤解"とは…??」
トレーナー「え」
ブルボンのとんでもない返しに言葉が詰まってしまう。ブルボンはそのまま続けた
ブルボン「あの写真を送った後、お父さんから電話がかかってきました『あの写真はどういうことか?』と、
ですから私のマスターに対する溢れ出す想いを言葉に変換し、私にとってどんな存在かたっぷりと…時間にして120分お父さんに伝えました」
ブルボン「聞き終えるとお父さんは少々涙声のようでしたが、私のマスターへの想いに納得してくれました。
ですから誤解などありません。つまり、『大丈夫』です」
ブルボン「言い忘れていましたが、校舎裏でたまたま通りかかった理事長にも見せた所…。」
トレーナー「えっ!?理事長にも見せちゃったのっ!!?」
ブルボン「はい。見せました。理事長は当初『困惑!』『艶聞!!』『物議ィ!!!』と慌てふためいて
いましたが丁寧に説明した結果『祝福っ!!!』という言葉をいただきました。」
…ああ、なるほど。これはやられた。あの時からブルボンの策に完全にハマってしまっていた…。
しっかりと外堀が埋められている…。
そして、ブルボンとブルボンのお父さんの振る舞いや会話でそういう話の流れになっているなと薄々気がついていたが
あくまでもトレーナーでいようと、とぼけていた。でも、知らないフリをしてごまかすのはもう無理そうだ…。
ブルボン「前にも言いましたが、私にとってあなたはたったひとりのとても大切なマスターです。今までも、これからも…ずっと…
…マスター、私の思考回路がエラーを出すほどの感情を揺さぶるあなたの情熱的な命令が聞きたいのです…。
ですから…、マスター、どうか…ご命令を。
頬をほんのり赤く染め、とろけた表情でブルボンがこちらをじっと見つめてくる。
そうか…、こんな表情もできるようになったのか…。ブルボンから目が離せない。
サイボーグと呼ばれていた彼女も、今ではすっかり感情豊かな恋するウマ娘なのである…。