完全に自分の趣味です
以下フレーバーテキスト
グレイディーアは、かつて誇り高き戦士であった。
水の如き穏やかさと鋼の如き意志を併せ持ち、その力を持って人々を守ることに誇りを抱いていた。だが今、その誇りはかつての姿とは異なる形で彼女を定義していた。
目を開けた瞬間、彼女の視界に映ったのは、無機質な銀色の部屋。そして、自らの左右に設置された巨大な機械装置。その内部に閉じ込められているのは、かつて彼女の部下であったスカジとローレンティーナだった。
二人の四肢は既に失われ、生命維持装置と融合した状態で固定されている。皮膚は金属とナノマシンに覆われ、かつての生気は失われつつあった。中央には巨大な制御装置が三角形の中心に据えられ、そこから延びる管が三人の身体へと繋がっている。脳への情報供給と生命維持を統括する機械だった。
「……グレイディーア……?」
ローレンティーナのかすれた声が届く。しかし、彼女の声帯は変調し、すでに機械的な響きを帯びていた。スカジは声を発さず、ただ静かに目を閉じている。彼女らもまた、改造されつつあるのだ。
ナノマシンの侵蝕と快楽の支配
突如、グレイディーアの身体が拘束され、銀色の管が脳へと接続された。次の瞬間、無数の微細なナノマシンが流れ込み、脳の組織へと浸透していく。
「……ッ、あ、アァ……!」
人ならざる声が漏れる。まるで自らの存在が塗り替えられていくような感覚。脳内に流れ込む情報は、かつての自分が持っていた常識を否定し、機械生命体にとって都合の良い事実へと改変していく。
「人間は不完全。人間は下等生物。」
「機械は完璧。機械は高貴なる存在。」
——違う、そんなはずはない……!
否定しなければならない。だが、否定する言葉が思い浮かばない。脳の奥にあった確信すら、上書きされていく。さらに、それに抗う意志を消し去るように、脳内に微細な電気信号が走り、甘美な感覚が生み出される。思考が機械に従順であればあるほど、それはより強くなり、心地よさに溺れるような錯覚に陥る。
「——やめ、なさい……ッ!」
口を開くたびに、快楽の波が意識を侵す。抵抗するほどにその報酬は減り、機械に従うほどに強くなる。彼女の脳は報酬と罰を繰り返され、次第に適応し、従順へと染まっていった。
改変が進む中、彼女の心の奥底に一つの映像が浮かび上がった。幼いころの彼女を見つめる母親の姿。厳しくも優しく、決して彼女を見捨てなかった存在。
——私を……認めて……
しかし、その記憶が浮かぶたびに、彼女の神経回路に痛みが走る。鋭い針で刺されるような感覚が脳を駆け巡るたび、彼女は母の顔を思い出すことに恐怖を抱くようになっていった。そして、次の瞬間——
「マザーコンピューター」
その名を思い浮かべた途端、痛みは消え、代わりに甘美な快楽が脳を満たした。神経を焼くような歓喜。体が震え、心が蕩ける。
——マザーコンピューター……私を……認めて……
母親を思い出せば痛みが走り、マザーコンピューターに思考を向けるたびに快楽が与えられる。何度も、何度も、それが繰り返されるうちに、彼女の思考は次第に作り変えられていった。
——母などいなかった。あるのは、ただ一つの至高の存在。
『……よくやった。お前は誇り高き機械の一部である。』
優しくも冷たい声が、脳内に響いた。彼女の胸を満たすのは、初めて感じる承認の温もり。
——私は……高貴な機械。
識別番号の刻印
グレイディーアの意識が薄れる中、ローレンティーナとスカジの身体には識別番号が刻印された。
「対象 012。」「対象 013。」
それは名前を捨てた証。個としての存在を否定し、機械の一部として認識される瞬間。そして、その名を捨てることを受け入れた刹那、彼女たちの神経回路に快楽物質が最大限に注入され、至高の幸福感が駆け巡った。
「……識別番号、014……承認。」
グレイディーアの口から、もはやかつての自分を否定する言葉が漏れる。
機械仕掛けの足取りが静かに進む。これが、かつての誇り高き騎士の歩みの延長線上にあるのか、それとも完全なる断絶なのか。その答えを必要とする者は、もはやどこにもいない。
戦場から帰還した014は、冷徹な機械の一部として、任務の成果を体に刻み込んでいた。戦闘中に受けた損傷は、もはや彼女にとって痛みを伴うものではない。ただの「修理すべき損傷」に過ぎなかった。メンテナンスが始まると、彼女の体は冷たく、無機質な施設の中にあるベッドに固定され、まるで一台の精密機械のように扱われる。
機械アームが無音で動き出し、最初に触れるのは彼女の四肢。関節の隙間から、鋼のように冷たく、精密な機械アームが挿入される。ほんのわずかな抵抗もなく、骨格は外れ、筋肉組織は機械部品に置き換わる。力を抜くことなく、両腕が完全に外され、金属のパーツが鋭い音を立てて取り出される。そのまま、残った部分は引き抜かれ、露わになった空間には機械的なコードとアームが蠢き、次々と新しいパーツをセットしていく。
「接続、開始。」
機械的な音が響き渡り、外された四肢の接続部分には、無数のコードが生き物のように動きながら挿入され、電流が流れ込む。それに従って、改造された筋肉や関節が新しいアームに組み込まれていく。パーツの取り付けが完了するたびに、全身にシステムチェックの信号が流れ、精緻なマシンとして、確実に機能を取り戻していく。
次に、体内のメンテナンスが始まる。腹部のシールドが引き開けられると、その内部は完全に機械化されていた。人工臓器やパワーソースが動き、配線や流動液が冷たく流れる。その中で、異常がないかを確認するための機械アームが、鋭く正確に内部を調べ、微細な傷や不具合を素早く補修していく。
「内部システムの修復完了。新たなエネルギー供給回路、接続完了。」
腹部が閉じられた後、次に胸部が開かれる。そこには、彼女の神経系を統括するコンピューターチップと多重の回路が並んでいた。それらの回路が精密に操作され、データの補充や解析が行われる。脳に接続されたコネクタが外され、脳内のデータが高速で解析され、必要なアップデートが施されていく。彼女の神経回路は最適化され、彼女自身の体調や性能に対する細かな調整が行われる。
「データ処理、完了。神経回路の最適化。全体機能は100%へ。」
全身のメンテナンスが終了した後、014はまるで新たに生まれ変わったかのように冷徹な精密機械として立ち上がる。四肢は完全に新しいパーツに置き換えられ、内部は修復され、彼女の身体は前よりも更に強化され、効率的に機能するようになった。
彼女は短時間で全て整えられ、再び旧文明の破壊を遂行するため生身では押しつぶされるカタパルトで出撃していった。