ベッドの上で眠る和泉紗霧(妹)は、高熱にうなされ、弱々しく身を縮めていた。顔は赤く火照り、汗ばんだ肌がしっとりと湿っている。咳が止まらず、苦しげに肩を震わせるたび、白いマスク越しに荒い息遣いが漏れる。
しかし、そのマスクは咳のたびに飛ぶ唾液や、止めどなく垂れ続ける鼻水で、すぐに湿ってしまう。正宗はそんな紗霧を見かねて、頻繁にマスクを交換してやる。新しいマスクをそっとつけ直してやるたび、紗霧は熱に浮かされた潤んだ瞳で弱々しくこちらを見上げた。
「……お兄ちゃん……」
掠れた声でそう呼ばれると、胸の奥が締め付けられるようだった。頼るように伸ばされた指先は、熱でほんのりと温かい。
正宗はそんな紗霧のそばに寄り添い、荒い息遣いを聞きながら、夜通し看病を続けた。少しでも苦しみを和らげてやりたいと願いながら、彼女の額にそっと触れる。熱はまだ下がる気配がなく、汗ばむ肌の感触が指先に残った。