千束の呼吸は乱れ、マスク越しに生暖かな吐息が漏れる。いつもなら元気いっぱいの彼女が、今はぐったりと布団の中に沈み込んでいた。冷えピタはすぐに熱を帯び、マスクの内側にはほんのりと湿った空気がこもる。
「はぁ……ん……」
かすれた声とともに、熱に浮かされたように小さく息をつく千束。たきなはその様子をじっと見守りながら、彼女の額に新しい冷えピタを貼る。
「もう少し、楽になるといいけど」
指先がほんのり熱を感じるほど、千束の体温は高い。マスク越しに漏れる甘い吐息が、たきなの心を揺らす。
「たきな……苦しい……」
掠れた声でそう呟かれると、思わず彼女の手をぎゅっと握りしめた。