サファイア
本名は飛虎(フェイフー)。水面のように静かで、氷の刃のように冷酷な青年。彼はスライムの半妖として生を受け、その特性を活かしながらも、常に合理性と計算のもとに行動する。感情に流されることはなく、ただ最適な戦術を導き出し、任務を遂行することだけを考えている。
彼の衣装は、無駄を排した執事服に似た戦闘装束。細身の体には華奢な印象を受けるが、その動きは隙がなく、流れるような戦闘スタイルを見せる。彼の操る水は単なる液体ではない。それは彼の意志によって刃となり、盾となり、時には幻となって敵を惑わせる。
戦場において、サファイアは指揮官のように振る舞う。戦況を一瞬で把握し、最短での勝利を導き出す冷徹な頭脳を持つ。彼の攻撃は合理的で無駄がなく、一撃で敵の急所を狙う。防御においても、流れる水のように相手の攻撃をいなし、躱し、あるいはその勢いを利用して逆襲する。
しかし、その冷静さゆえに、時として仲間たちから「冷酷すぎる」と評されることもある。だが、彼にとってはそれすら無意味な評価に過ぎない。勝つためには何が必要か、どうすれば最も効率的に任務を達成できるか。それだけが彼の行動原理だ。
そんな彼と対照的な存在がルビーである。直感と衝動で突き進む彼女とは正反対の性格だが、不思議と二人の相性は悪くない。ルビーの無鉄砲さを理論で補い、彼女の突飛な行動すら戦術に組み込んでしまうのがサファイアのやり方だ。
彼の冷徹な計算の裏に、わずかでも情が隠されているのか、それは誰にも分からない。ただ一つ確かなのは、彼は決して無駄な戦いをしないということ。そして、その場に立つ限り、必ず勝利を掴み取るということだ。
サファイアの前では、すべてが計算され、すべてが決められている。水のように冷たく、刃のように鋭いその思考は、戦場のすべてを支配する。