深海棲艦の攻勢で劣勢状態のとある泊地…ところが深海側から予期せぬ停戦交渉がもたらされる。 とある人物の治療をしてくれるなら、泊地の安全を保障するという…。 自ら有利な立場を放棄する深海の提案に困惑しつつも…泊地の中で一番医術の心得がある熊野丸が派遣される事となった。
熊野丸「この期に及んで臆したかと思うだろうが…一つだけ言わせてくれ。 確かに俺は外科手術は出来るが、素人に気が生えた程度だ。 お前が助けて欲しい人間の話を聞くに…正直手の施しようが」
戦艦棲姫「それでも貴方しか手術とやらを出来る者がいないのでしょう!? どんなに助かる見込みが低くても、あの人が生きれる可能性があるならそれに縋りつくのは当然…それとも私だけが狂っているの…?」
どうやらこの戦艦棲姫…よほどその人間を愛しているようだ? 他の深海棲艦が苦虫を嚙み潰した様子から…彼女が強引に停戦交渉をゴリ押ししたようでもある。 深海棲艦といえども、愛する者の為なら何でもするのは人類と同じ…諺で言うなら『鬼の眼にも涙』とはこのことかもしれない。
熊野丸「・・・分かった、ならば全力を尽くして治療する。 だがしかし、どう努力しても手遅れだと判断した時は…」
戦艦棲姫「分かってる、その時は諦める…でもそうなったら…彼を…あの人を楽にしてあげて…。」
やれやれ、下手すればブラック・ジャックとキリコの立場を一遍に味わう羽目になるのか? 予想以上に困難な任務を受けてしまった事にため息をつきながらも、最善を尽くす事を決意したDr.熊野丸は…自ら足を進めていくのであった。