かつて仲間達と共に魔人、デス・アダーとその軍団を滅ぼしてファイアウッド王国を再興したティリス・フレア。
彼女は後ファイアウッド王国の初代国王として善政に努め、息子、そして孫に譲位した後は後見の立場で王国の発展と民の安寧に努めた。そして彼女は家族や国民に惜しまれながら国母として80歳で永遠の眠りについた・・・
・・・はずであった。
だが、ティリスが目を覚ましたのはあの世ではなく、彼女が全く知らない世界であった。
しかも、彼女の肉体は若いころ・・・ちょうどデス・アダーを討伐する頃の戦士としての全盛期の身体であった。
困惑するティリスのもとに、一団の男たちが近づいて来る。その衣装は彼女の世界とは全く違ういで立ちだ。
ティリスが戦闘態勢で身構えた時、男のうちの一人が声をかける。
「落ち着いていくれ、我々は敵ではない。」
「ふむ・・・貴女はファイアイウッド王国の元女王、で、死んだと思ってたら若返ってここにいた・・・と。何と言うか話がぶっ飛びすぎてすぐには信じがたいのだが。」
ティリスの話を聞いた忌兵隊党首・高杉神風は流石に困惑の表情を隠せなかった。ちなみにティリスはビキニ姿ではさすがに目立つと言う事で赤根仁美の私服のTシャツとジーンズ姿だ。
「それももっともだわ、そもそもそんなこと言っている私自身が正直困惑しているんだから・・・」
そう言いながらティリス自身も困った表情を見せる。
彼女がいる新しい世界は何もかもがファイアウッド王国とは違っていた。彼女の晩年にようやく現れた「からくり」など足下も及ばない高性能なものが人間の代わりに働いているし、この世界では魔法も存在しないようであった。完全に途方に暮れているティリスを見ながら、高杉はある事を思っていた。
『彼女・・・相当強いな。カオスヒートのトップランカーたちと比べても互角・・・いや、それ以上かもしれん。』
4/7追記 元の世界での在りし日のティリスの雄姿はこちら(
https://ameblo.jp/madein-wario/entry-12892866667.html)