ララミディアの生態系において頂点に位置する、大型のシアラ。同地域に棲む「赤い頭」と姿が似ているが、体色が異なり、体長15mとひと回り大きい。
それだけではなく、他のシアラとも異なる点が多い。殆どのシアラは鳴管が未発達で大きく鳴き声を上げることができないが、大竜喰いは異常に発達した鳴管を持ち響き渡るような鳴き声を出すことができる。この咆哮は、大竜喰いの怒りが湧き上がると衝動的に発生するものであり、主に外敵を追い払おうとする時や、獲物を仕留め終えた時などに咆哮をあげる。
さらに高い身体能力、群を抜いた闘争本能も備えており、ララミディアで最大のトカゲであるタイタン「緑の巨人」を単体で仕留めようとする。「大竜喰い」という呼び名は、この荒々しく獰猛な捕食行動が由来である。
しかし、上記の能力を備えているが故に体力の消耗も激しく、狩猟や戦いをおこなった後は自分の縄張りに戻り、寝床にて体力の回復をおこなう。
ともあれ、このララミディア最強と言える大竜喰いと出逢ったが最期、明日を迎えられないと思ったほうがいい。
《GLORIA DATA》
サウロファガナクス(人造種)
GLORIAが遺伝子操作で生み出した大型肉食恐竜。
だが、他の人造種と異なるのは、原種が存在しないことだ。
地球で発掘された化石も西暦2024年にて獣脚類アロサウルスと竜脚類ディプロドクスの骨が混合したものと分かり、さらに惑星イフの調査により、ジュラ紀後期にはサウロファガナクスという種類に該当する生物は確認されず、存在しないことが明らかになった。だが、GLORIAは既にサウロファガナクスを「鑑賞品・兵器」として生産して売り出す契約を幾つもの会社と交わしていたため、この真実を表に出さずに遺伝子操作で「偽物のサウロファガナクス」を作り出すことにした。アロサウルスの遺伝子をメインに、近縁である大型獣脚類アクロカントサウルスや世界最大級の竜脚類ディプロドクスの遺伝子を組み合わせて生み出された(突き出た背鰭や長い尾はこれらの遺伝子の影響を受けている)。見映えをよくするために体色も派手な色にし、鳴管も強く鳴り響けるよう鳥類のものを参考に造られている。
製造に関わった研究グループは、このように原種が存在せず完全に人工的に製造された人造種を「ニューネーム」と呼び、さらにサウロファガナクスのように複数の遺伝子を組み合わせた生物を「キマイラ」と呼び分けることにした。
現在野生化しているサウロファガナクスは、かつて施設から脱走した後自然環境に適応した個体の末裔であるが、繁殖が抑制されたためか増殖しすぎず、大陸の環境が崩壊するまでには至らなかった。