#55 眠り姫と、四人の騎士
novel/25160261① 水沢玲央は、机に突っ伏して、気持ちよさそうに眠っていた。
② 木綿花が、カスミソウを、玲央のふわふわの髪に、そっと、優しく、差し込んだ。そして、玲央の寝顔を囲むようにして、四人で、ぎゅっと顔を寄せ合い、最高の笑顔で、記念のセルフィーを撮ったのだった。
③ 玲央が、自然に目を覚ますまで、わたしたちが、ここで、彼女の騎士になろう。
④ 「あれ?木綿花、彩花、美優、環も。みんな、どうしたの?宿題?」
⑤ 自分の、あまりの能天気さが、急に恥ずかしくなる。そして、それ以上に、どうしようもないほどの、感謝と、愛しさが、胸いっぱいに広がっていく。「……みんな」 玲央の大きな瞳が、みるみるうちに、涙の膜で潤んでいく。