この作品は、決して“ネタ”や“受け狙い”で作ったものではありません。
自分自身、震災を「他人事ではない出来事」として受け止めてきた経験があり、身近な人のことも含めて、個人的な想いをもとにこのテーマを選びました。
「お化け」と聞くと、怖い・不気味・ジョーク的といったイメージがあるかもしれません。
けれど、ふと立ち止まって考えてみたとき、
“お化けになってでも、もう一度会いたい”と願う人がきっとどこかにいる――
そんな想いが、心の中に芽生えました。
この作品では、
震災で行方不明になった友達に会いたくて、夜の海に通い続ける凛音ちゃんをイメージしています。
彼女の手に灯る小さな光は、祈りにそっと寄り添う魂のぬくもりのようなものです。
「お化け」を違う角度から捉えたとき、
そこにあるのは“恐怖”だけではなく、**人を想う気持ちの延長としての“あたたかさ”や“祈り”**なのかもしれません。
この作品を通して、そんな視点で感じていただけたら嬉しいです。