非常に難しい事を妖怪の間では「小人に爪紅」と呼ぶ。
けど本当に小人から「人間みたいに爪に絵を描け」なんて頼まれるとは思わなかった。
その子は「あらゆる場所に絵を描ける人魚」という噂をどこかから聞きつけて訪ねてきた。
確かに昔蝋燭に絵を描いた事はあるものの、それより細かい物に色を塗った事はない。
それでもどうしてもやって欲しいと言うので仕方なく絵を施した。
じっとしてるのが難しい小人の爪に絵を描く事は、非常に集中しなければならなかった。
私は気が短い方だが、子供には弱い。
とんでもなく疲れたが、彼女が喜んでくれたのなら何よりだ。――人魚画家「不知火つくし」
自己解釈で「不知火」は海上や狭い所等、あらゆる場所に絵を描ける「人魚の亜種」です。
つくしは「不知火」なのでその設定を活かした画家なのですが、
人(妖怪)付き合いが苦手なので「知る妖怪ぞ知る」画家です。