この話は
KAILI💕第11話一章
illust/134693145の続きです。
【KAILI 第11話二章】
<海底地下資源採掘現場 水深1200m地点>
海里が
続けて2匹目を狙うが、
海獣2号
illust/132683893のクローンの群れは海里を取り囲む陣形を取り出した。
包囲されないよう脚部のオウオータージェットによる水中機動で逃げようとするが、なかなか振り切れない。
オマケに後方から狙撃型の新型(海獣8号)がこちらを狙っている。巨大なクラゲの形をし、半透明な身体からあらゆる方向にビームを放ってくる。
海里 ・レッドシャーク
illust/132682700「やりにくいったら!」
もう1匹(海獣2号のクローン)を左腕のスライサーで斬り捨てるが、
その時 海獣2号から高エネルギーのビームが放たれ
海里の左足(膝から下)が消滅する。
海里
「あぁぁぁぁぁ!足が!!」
「い、イタイ!痛いぃぃぃ!」
<セーブモード起動!『止血』並び『神経保護』を開始します。>
ダイブスーツ
illust/132754624に新しく搭載された『セーブモードシステム』が、装着者の命を守るため自動で動き出す。
岬 竜太
illust/132683046「海里ちゃん、巨大化を解除してフカヒレに飛び乗れ!!」
なんとか気力をふりしぽり巨大化を解除する海里。巨大化を解除し等身大サイズに戻って沈んでいく海里の身体を、特殊潜航艇「フカヒレ」
illust/132683652の甲板が受け止める。そしてハッチを開いてハッチ内に海里が入ったことを確認し、全速で戦域からの離脱を図る。
「ジャミング・インク魚雷発射!」
フカヒレの後方魚雷発射管から「ジャミングインク魚雷」が海獣の群れに向けて撃ち込まれる。
※『ジャミング・インク魚雷』
→ソナー探知や赤外線探知を無効化する粒子を含んだインク(墨)を積んだ魚雷このとである。
視覚・ソナー探知・赤外線による熱源探知を封じられたせいで海獣達は追って来る様子はない。
シメタとぱかりに猛スピードで海底特捜隊基地へ向かうフカヒレ。
すると通信機から海里の声がかすかに聞こえてきた。
「……痛い…痛いよぉ…お母さん…」
まるで深夜に高熱を出し、うわ言で助けを求める子供のようだ。そんな時 助けを求める相手はやはり母親で…
岬
「海里ちゃん、頑張ってくれ!
もう少し、もう少しの辛抱だから」
(俺はなんで………くそっ!くそっ!クソおぉぉ!!)
こんな時に、海里の苦痛を取り除いてやる術を持たない自分を呪った。
「頼む!頼むから間に合ってくれ!
SCドライブ起動!ロケットブースター点火!」
岬の祈りに応えるように特殊潜航艇フカヒレ
は海中で音速の速度を超える。
※SCドライブ→船体周囲に細かい水泡を発生させ、水の抵抗値を限りなくゼロに近ずけ海中を高速移動するための機能。ロケットプースターを併用することで500ノット以上の高速移動を可能にする。
<海底特捜基地救護班手術室手前の廊下>
岬
「先生!海里ちゃんの足は…」
M星人のドクター
「大丈夫ですよ。スーツのおかげで止血も神経の保護もされてましたし。何より保存されてる彼女(海里)の身体データが最新のもので良かった。おかげで、無くなった左足の復元も上手くいくでしょう。まずは切断面の洗浄・滅菌処理を行います。」
そう言って手術室に入るM星人のドクター。
岬
「ああ、良かった。これで海里ちゃんの足が治る……
良かった。本当に間に合って良かった。」
そして手術室手前の椅子にドスンと座り込む岬。
敵のビーム攻撃で無くなった海里の左足は、クローニング技術の応用により「再生」を行う。
その際には出来るだけ最新(最近の)の身体データが必要となる。海里の場合 改良型ダイブスーツが先日到着したばかりで、もしもに備え身体データを更新したばかりなのが幸いした。
手術が終わり、手術室から培養カプセルに入った海里が出てきた。これから専用の部屋で10日ほど『足の再生』にとりかかるとの事。
麻酔が切れて海里の意識が戻るまで、基地寮の自室(相部屋)に戻る岬。服を脱ぎパンツ一丁になり、そのまま眠りついた。
そして海里との面会が許可され、海里のいる部屋へ向かう。
海里は、透明な培養液に満たされたカプセルの中にほぼ素っ裸に近い格好で居た。(要所々々をテーブで隠しただけの格好)そして、生命維持のための酸素マスクと点滴、モニターが繋がれている。海里との会話は、骨伝導方式で行われた。
岬
「海里ちゃん、気分はどうだい?」
海里
「最悪ね…」
岬
「無くなった左足はちゃんと再生されるそうだよ
。」
海里
「あなたさっきから何で反対方向向きながら話してるわけ。」
岬
「いやそのを…あなたのその格好は目のやり場に困つてしまいまして…」
海里
「何よいまさら。あたしの裸なんてとっくに見たことあるじゃない。」
岬
「それは、そうなんだけど……💦」
(海里は、慌てて前を隠そうとする動作もしない。まだ体が動けないでいるようだ。)
海里
「私が深手を負ったのは周知の事実だし、おそらく24時間以内に今度はこの基地を襲撃してくると思うわ。ピーべ
illust/133883106のスーツがあたしと同じ物だったことより間違いなく奴ら(闇のシンジケート)は、スーツの『24時間インターバルの件』のことも知っているでしょうし。オマケに今回は以前と違い、半数近くも退治しそこなってるわで……」
「私としては、隊長に『この基地を放棄し、撤退する』ことを進言したいの。」
<海底特捜隊基地 司令室>
岬
「以上が海里ちゃんからの伝言(進言)なんですが…」
隊長
「うむ、海里くんの言うとおり、『撤退』しかあるまい。」
鯱島
illust/134355375「そうですね。海里捜査官が出れない以上 コチラに勝ち目はありません。ですが「彼女(海里)」とあの「巨大化出来るスーツ」だけでも逃げおおせれば、反撃の狼煙は上げられます。」
隊長
「よし、只今をもってこの基地を放棄する。総員撤退準備!集結地点は、内陸の極東支部地上部隊 ★★★基地とする。奴ら海獣は、海洋生物の改造型だ。海がなければそう簡単には攻めては来れましい。撤退準備急げよ!!」
【第11話三章へ続く】
※今回の扉絵→
足をビームで切断され、海里が痛みに耐えてる最中に見た回想シーンより、「七歳の時の海里」と
「海里のお母さん『アビィ』の27歳頃を描いてみました♪