作品&解説
呪術廻戦、大好きです💕
両面宿儺…
この存在を解説しようとすると
意外と困難な事に気がついてしまった…
なぜなら、2つの違う情報を
無理やり1つにまとめた様な
存在だからだ
つまり彼の異形な姿
そのものなのである
解説は、なるべく
単純明快に短文で行うべきだか
私の力ではまとめられず
長文許されたし…
では姿から解説することとする
日本書紀には以下の
記述がある
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壹體有兩面
面各相背
頂合無項
各有手足
其有膝而無膕踵
一つの胴体に二つの顔があり
それぞれ反対側を向いていた
頭頂は合してうなじがなく
胴体のそれぞれに手足があり
膝はあるがひかがみと踵がなかった
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つまり背中合わせに
ふたりの人物を
くっつけた姿なのである
この様な複雑な姿から
立体として両面宿儺の像存在するが
平面の絵は存在しない
(鎌倉時代から江戸時代までの資料として)
記録や伝承は
どうなっているだろうか?
日本書紀では
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不随皇命
掠略人民爲樂
於是 遣和珥臣祖
難波根子武振熊
而誅之
皇命(すめらみこと)に従わず
人民から略奪することを楽しんでいた。
それゆえ和珥臣(わにうじ)の祖、
難波根子武振熊(なにわのねこたけふるくま)を
遣わしてこれを誅した。
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とある
つまりは異形の怪物であり
朝廷には従わず
民をも苦しめる悪い奴なので
成敗したと記されている
しかし、両面宿儺の生まれた
地である飛騨(岐阜県)での伝説は異なる
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丹波川伝説
七儺(しちな)という鬼を退治する
金山伝説
難波根子武振熊が攻めて来ると知り
高沢山に立てこもったが討ち取られた
戦の前には村人に迷惑がかからぬよう
村の外れで石を膳にして食事をした
美濃の日龍峯寺伝説
毒龍を呪文により退散させ
その時、刺した杖が
千本桧(せんぼんひのき)の
大樹としての今も残っている
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この様に、両面宿儺は
英雄としての扱われており
金山伝説などは
歴史的な資料とも考えられる
つまり、朝廷にとっては
悪人であり
地元の人々にとっては
英雄である
多くの資料や考察者達が
この事について述べているが
つまりは、この地を開拓した
豪族が朝廷に攻め込まれ敗れた…
それが、両面宿儺伝説の正体だろう
2つを無理やり1つにまとめた様な姿は
ふたりの反逆者がいた事の比喩
というのが無難な結論だろう
彼の異形な姿は
多くの人々の
恨みと親しみを同時に受けて
不思議な輝きを放っているのだ
作画回想
なるべく日本書紀の
記述に合わせようしてみた
つまりは以下の記述である
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一つの胴体に二つの顔があり
それぞれ反対側を向いていた
頭頂は合してうなじがなく
胴体のそれぞれに手足があり
膝はあるがひかがみと踵がなかった
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脚のデザインは特に悩んだ
踵が無い哺乳類など存在せず
モデルとなるモノがなかったのだ…
他に伝説から以下の点を加えた
■開拓者の象徴である「斧」を持たせた
■美濃の日龍峯寺伝説で毒龍退治にちなんで
使った「杖」を持たせた
■朝廷に反逆者(弓引く者)として「弓」を加えた
■両面宿儺に巻き付くのは退治された「毒龍」である
今回は、特に力強い存在となるよう
全体のデザインしてみた
いかがだろう?
画像に著作権有り(Ⓒmikaduki-denpa)