謎の彼女Xはホントに良い作品だと思う。「よだれ」という特殊な要素が目立つけれど、実は根っこは、恋愛感情とか、思春期の感覚とか、そういう純粋な要素でしっかり固められているとこが良い。例えるなら、岡村靖幸のようなもの。だから、よだれをなめる行為に、読んでて違和感がなくなってくるのですよ。ぼくは。そんなわけで(どんなわけだ)、作中では非常に珍しい、満開の笑顔の卜部さん。普段の無愛想な表情があるからこそ(それすら非常に魅力的なのだが)、椿君のみならず、読み手の心を揺さぶる、ある意味パンツ・ハサミ以上の必殺技。