小田原急行鉄道1形→小田急電鉄デキ1010形:
1927年川崎造船製、運転整備重量41tのボンネット機。
といっても、箱型の車体の前後に小さなボンネットが付いたスタイルであり、いわゆる「凸型電機」とは
幾分違ったプロポーション。
同形機は武蔵野鉄道デキカ20形(→西武E21形)や上田温泉電軌(現・上田電鉄)デロ300形(→名鉄デキ500形→岳南ED50形)などがある。
製造当初は1号、2号と称したが、大東急統合時にデキ1010形1011・1012号となったのち、
小田急分離後に軸配置を併記しED1011・ED1012号となった。
デキ1020形(
illust/52670518)以降は1形式1両、
すなわちワンオフが多い小田急の電機の中にあって唯一、同一形式が複数存在する車輌である。
1968年の貨物縮小でED1011号が廃車される。残ったED1012号は、1984年の貨物輸送廃止まで働き続けた。
ED1011号は向ヶ丘遊園に保存されたが2002年の同園閉園に伴い解体、
ED1012号は海老名検車区に保存されていたのだが、これも2004年ごろには解体されてしまったものと思われる。