名古屋鉄道モ570形:
1950年にモ571~573号が帝國車輛で、1953~1954年にモ574・575号が日車本店で製造された。
見てわかる通り、都電6000形(
illust/61870492)の車体を基本として設計された規格型電車だが、
モ571~573号はブリル27GE系を基本とした帝國車輛製低床用台車、モ574・575号もこれと同系統の住友KS-40Jを履き、
また制御主回路も直接式など、やや保守的な傾向がみられる。
都電6000形との違いはヘッドライトの位置、および屋上のガーランドベンチレーターの存在である。
当初は571~573号が美濃町線、574・575号が岐阜市内線に配置され、
両線の輸送力増強に大きく貢献したが、その後モ573号が岐阜市内線に転属、
美濃町線に残ったモ571・572号についてもモ870形(
illust/57134436、もと札幌市電A830形)が入線してくると岐阜市内線へと移った。
かくて5両全車が岐阜市内線に集結し、おもに新岐阜駅前~忠節間で運用された。
塗装は当初、都電6000形にも似たクリームとダークグリーンだったが、その後クリームとライトグリーンのツートンを経て
名鉄スカーレットの単色塗りとなっている。アルミサッシ化、ヘッドライトのシールドビーム化など
近代化改造も実施されているが、最後まで車内灯は白熱灯のままで、冷房化も行われなかった。
2005年の岐阜市内線廃止に伴い全車廃車。解体され現存しない。