今から１０年前のこと。
敵に凌辱を受けたサラは心身の回復のため、王位をマリーに譲り旅に出ていた。
サラは身分を隠し、ヤマトラマンＯＺとなっていた。
旅立ちから５年経ったある日...。

ＯＺ「ヒマねぇ...。」
セブンガー「近くにある惑星にでも行ってみますか？」

このロボット・セブンガーは執事・護身用として旅に同行している。
サラの一人旅を心配したビッグセブンからの贈り物だった。

ＯＺ「赤茶けた星ね。」
セブンガー「元は有尾人の住む星だったのですが、侵略を受けて滅亡してしまいました。」
ＯＺ「ホントだ。神殿かしら？廃墟がある...ん？」
セブンガー「どうしました？」
ＯＺ「子供が...！で、何？あのバケモノ！」
セブンガー「この星の有尾人は人型ですよ。クリーチャーじゃない。」
ＯＺ「それにあの子...尻尾がない。」
セブンガー「微弱ですが生命反応あり...。間違いなく有尾人の子供です。」
ＯＺ「この星の最後の生き残り...救出に向かう！」
セブンガー「大気は生存に適していますが、危険過ぎます。」
ＯＺ「放っておけるわけないでしょう！私が行く。回収準備を。」

ＯＺはセブンガーの制止も聞かず単身惑星に降り立った。

ＯＺ「バケモノどもその子から離れな！私が相手をしてあげる！」

ＯＺは２体のホーンリザードの間に着地。すぐさま戦闘態勢に入った。
ＯＺ『この距離で雷撃や光弾を使ったらこの子を巻き込んでしまう。』
苦手とする肉弾戦。攻撃を躊躇するＯＺ。
じりじりと間合いを詰めていくホーンリザード。

？「ハーッハッハッハッ!!!」
ＯＺ「何者!?」
？「私を忘れたかクイーン・サラ。あんなにカワイガッテやったのに。」

柱の上から見下ろすのはバンデル星人。
ＯＺの頭の中に強烈なフラッシュバックが起こった。
あの凌辱が蘇る。バンデル星人による終わりなき処刑の日々...。

ＯＺ「ああっ！やめてっ!やめてーっ!」

ＯＺは頭を抱えて悲鳴を上げた。身体は一瞬で硬直したようだった。
バンデル「...ハーッハッハッハッ！」
バンデル星人の姿はもうなかった。ＯＺの傷心が見せた幻影だったのか。
２体のホーンリザードは容赦なくＯＺに襲い掛かった。
背後から拘束されたＯＺのボディに拳がメリ込んでいく。

ＯＺ「うっ！...あっ！...ぐっ！」

背後のホーンリザードはＯＺの首を絞め首筋に咬みつく。
前方のホーンリザードは巨大な角をＯＺの胸に突き刺した。
そこからエネルギーが噴き出す。
等身大のためカラータイマーこそ赤にならないもののダメージは蓄積されていく。

女の子「...ん...う...ん」

瀕死の女の子がゆっくり目を開け首を傾けた。
その目に映ったのは角を腹部にも突き刺され、光を吹き出して喘ぐＯＺの姿。

女の子「...もう...死なないで！」

女の子がその叫び、牙を剥くと身体が発光した。
発光体となった女の子は２体のホーンリザードに体当たり。
ホーンリザードは大爆発を起こして消滅した。

気が付いたＯＺの目の前には女の子が立っていた。

ＯＺ「ありがとう。助けられちゃったね。」
女の子「...よかった...」

そう言うと意識を失ったように目を閉じ、ふっと後ろに倒れる女の子。
ＯＺは女の子を抱きしめた。

ＯＺ「しっかりして！」
女の子「...ママ...」

女の子は目を閉じたまま力なく呟いた。

ＯＺ「ママだよ！今日から私がママだ！だから死なないで!!」

ＯＺは女の子を抱きしめながら絶叫していた。
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女の子を回収したＯＺにセブンガーが話しかけてきた。

セブンガー「サラ様。」
ＯＺ「あぁ？」
セブンガー「どうなさるおつもりですか？」
ＯＺ「何を？」
セブンガー「あの子供ですよ。療養カプセルの中にずっと入れておくのですか？」
ＯＺ「そのうち元気になるでしょ？」
セブンガー「有尾人のエネルギーは尻尾で制御されてるのです。尻尾を失っていては...。」
ＯＺ「んじゃ、私の予備のクイーンバックルをあげるよ。」
セブンガー「へっ？」
ＯＺ「それでエネルギー循環がうまくいけば生きていけるんだろう？」
セブンガー「理論的にはそうですが...サラ様の命を分け与えるとは...。」
ＯＺ「だって約束したモン。今日から私がママだって。」
セブンガー「やれやれ。早く良くなってくださいよ。」

愛情に包まれた療養カプセルの中で女の子がほほ笑んでいた。

そして10年後...

女の子はＬＥＯと名付けられすくすく成長。
ヤマトラマンに変身する能力も身につけていた。
ただし、背はあまり伸びなかったようだがw

◆ヤマトラクイーン・サラ
　ヤマトラマンＯＺを名乗る前、王族としての呼び名。
　王族を離れ、クイーンからヤマトラマンになったときに改名。
　相棒のセブンガーやマリーはいまだに彼女を「サラ」と呼ぶ。

◆怪獣ボール　セブンガー
　身長：ミクロ～５８ｍ　体重：０～３３０００ｔ
　ＯＺがビッグセブンから貰った怪獣ボールから現れるロボット。
　容姿からは想像できない高い戦闘能力と機動力、堅牢な装甲を持つ。
　普通は１分間しか活動できないが、ＯＺからエネルギーを供給されれば時間制限はない。
　ＯＺの宇宙船の操縦から家事全般・護衛までこなす。

◆ヤマトラマンＬＥＯ
　身長：３５ｍ　体重：２万ｔ
　本来ヤマトラマンになれる年齢ではないためまだ未熟で光線技は使えない。
　ただ、パワーだけは大人顔負けである。
　ＯＺからもらったクイーンバックルはエネルギーの制御だけでなく心身の制御も行う。
　攻撃を受けたり機能が停止するとキレて暴れまわるため弱点ではない。
　背は低いが地球人に換算すると１４歳程度。

◆軟体宇宙人　バンデル星人
　身長：２ｍ　体重：９６kg
　手からは炎や銃、電気鞭を放つ。
　その鞭でクイーン・サラ（ＯＺ）を責めたてた。
　常に集団で行動し、体の黒い個体がリーダー。