先日投稿したこちら→
illust/79647619の続き。コメントでもチラッと触れてたウチのヴィランを登場させていただきました。
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ツムギ「…それと、みんなにもう一つ伝えておくわ。」
しぐれ「え?」
クロタ「何だ?」
ツムギ「まだ未確定の情報だから、さっき伝えるかどうか迷ったんだけど…。
マリスは最近、祢子女さん以外にも接触していた組織があるみたいなの。もしそいつらが今回の事件に関わっているなら、捜索を妨害してくるかもしれないから気を付けて。」
カーディ「え?妨害するかもって事は、ヴィランなの?」
ツムギ「えぇ。…まぁとさん?」
まぁと「あいあい?」
ツムギ「もしかしたらそっちの指名手配リストでも、名前見た事ないかな?」
ユウ「何と言う名だ?」
ツムギ「…ミュータントマフィア、[絶望(デスペラント)]。」
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一方その頃、祢子女を連れとある建物に来たマリスは、彼女を別室に待たせ、暗い部屋である男と話をしていた。
???「しかし、どう考えても動物愛護と何ら関係無い、俺みたいな人間を前にして何一つ疑わないとは…。噂通りの百枚舌だな、久良知マリス。」
マリス「いえいえ、恐縮ですw」
???「『その愛護団体が実は妖怪を保護するって裏目的があって、俺もその保護された化け物の1人』だと…?
はっ!よくそんなでっち上げの嘘が咄嗟に出て、しかも納得させられたもんだ。恐れいったぜ。」
マリス「いえいえ!ラグナさんも口裏合わせも無く調子を合わせて頂けて、有難い限りです。」
マリスの前にいる"ラグナ"という名の男。
同じくスーツ姿だがその身長と体躯は一回り大きく、服の上からでも解る程逞しい体をしている。
暗い赤が混じる白髪をオールバックに流し、見るからに悪人らしい鋭い三白眼、そして顔や手のあちこちに古い傷痕が刻まれている。
ラグナ「で?この後はどうするんだ?」
マリス「恐らくは祢子女さんの関係者、しぐれちゃんという女の子と、クロタというお仕事の知り合い、この二人がそろそろ行動を起こすのではないかと。
私の事を嗅ぎ回っている者もいるようですし、その方々が二人と同行する可能性もあります。その人数は今夜から明日中には多分明らかになるかと思いますが…。」
ラグナ「俺はいつ動けばいい?」
マリス「あちらの人数がはっきりした後であれば、タイミングはお任せ致します。
もし、しぐれちゃんとクロタ二人だけで来ていたら、祢子女さんとお話が出来るよう誘導を。協力者がいれば、分断の為に攻撃を仕掛けて頂けると助かります。」
ラグナ「で?そのしぐれってガキも引き込むつもりか?在りもしない妖怪愛護団体に。それもあの女を使って。」
マリス「いえいえ、使う等ととんでもないw祢子女さんには確かにご検討をとお話しましたが、そこは最終的に彼女達の自由意思に任せたいと思っております。こういった大事な事を決めるのはあくまで、"本人達"ですからねw」
ラグナ「ほぉお、なるほどなぁ…。
(…要は話のすれ違いからの疑心暗鬼で揉めさせるのが目的、抱き込むつもりはさらさら無いって事か。そしてテメェはあくまで端から見てる観客気取り…中々タチが悪いぜ。)」
マリス「しかし、人というのは面白いもので…それぞれが"良い事"をするつもりでいると、反っていがみ合いが起きるものなんですよねぇ。
一体何故か?ラグナさんなら、お分かりになりますかね?」
ラグナ「…簡単だな。結局は"テメェの為だから"だろ?」
マリス「その通り。人の為とする行いも、突き詰めれば根本は利己的なものなのです。
それに気付かず、或いは目を逸らして、自分だけが思っている良い行いばかりしていては、当然何処かで"別の良い行い"とぶつかる。すると大概の場合、人は"自分の良い行い"を否定したくないので、それを相手に押し付けようとする。そうして軋轢が生まれた時、人は争う。
それこそが、この世から摩擦や戦争が無くならない大きな理由の一つであると、一体どれ程の人が理解しているのでしょうねぇ…?」
ラグナ「話が分かるじゃねぇか。」
マリス「恐縮ですw
その点ラグナさん達は、利己悪こそ世に必要だというお考えの元、誤魔化す事も包み隠す事も無く"絶対悪"として振る舞っていらっしゃる。実に気っ風の良い素敵な組織だと思いますよ。」
ラグナ「…俺らやお前みたいな"汚れ役"が居てこそ、この世は成り立っている。
悪党がいるから、ヒーローも存在し持て囃される…。
この世に必要無いものなど存在しない。必要が無くなったら消えて失せるのが世の常…。なら、何故いつまで経っても"悪"は無くならないか?…必要だからだ!
『No vice, No justice.(悪無くして正義無し)』
それが俺達、[絶望(デスペラント)]の存在意義ってワケよ…!」
マリス「素晴らしいお考えで。
最も私は、汚れ役を買って出ているつもりもないのですがねw」
ラグナ「…この俺も滑稽に見えるってか?」
マリス「いえいえ、滅相もございませんw
汚れてでも己を突き通す美しさというものがあるのも、人の面白さです。自分でそれが出来ない臆病な軟弱者なんですよ私は。し が な い サ ラ リ ー マ ン なのでw」
ラグナ「はっ!どうだかな…。
(…ったく、何処までがマジで何処からはぐらかしてるのか、油断するとすぐ分からなくなっちまうな…。
舌の回る奴にも何人と会ったが、コイツはとびっきり危ねぇ臭いがするぜ…。)」
マリス「とはいえ今回の件、ラグナさん達にとっても、組織の名を広める良い機会なのではありませんか?
ヒーローとヴィラン、現世界と異世界が入り乱れる、第3のアーカムシティと言っても良いこの街にせっかくいらっしゃったのですから…。」
ラグナ「あぁ、そいつは確かだ。
ついでにこの街のヒーロー共がどれ程のものか…愉しませてもらうぜ?
"このラグナ=クラークを殺した100人目"になる程の奴がいるかどうかも含めてな…!」
ラグナはそう言いながら、口角を釣り上げて不敵な笑みを見せる。
対してマリスは相変わらず全く考えの読めないアルカイックスマイルで返した。
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お借りしたキャラ
:マリス
キャプのみ
:カーディ
:まぁと
:ユウ
自前
新キャラ
:ラグナ
キャプのみ
:ツムギ
問題不都合等あればパラレルorスルーでOKです。