「あら、久方ぶりね妖精のお嬢さん」
「貴女のような変わり者は初めてよ」
「人違いだったのね、ごめんなさい。あなたにそっくりな妖精さんに逢ったことがあるの」
「私に似た妖精ですって?」
「ええ、まるで双子のように」
彼女は歌うように話しました。
天空の世界と翼を持った人々のお話。
重たい翼を背負った少女のお話。
全てを捨てて落とされた少女のお話。
私と似た妖精は血のように真っ赤な姿であったお話。
青い瞳を瞬かせた妖精は上を見上げてこう言いました。
「おかしなことを言うしゃれこうべね。どこから落ちてくればそんなことが言えるのかしら」
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illust/81002007