ナカヤマ『ん·····少し寝すぎたか·····なんだ戻ってるじゃねぇか。気分はどうだい?お嬢様』
ヴィル『ああの私!?いろいろ迷惑をかけちゃったみたいで·····!』
ナカヤマ『よし、私が寝てる間にゴルシ達と連絡とったな?何言われたのか知らないが、気にするなよ。ウチのチビ共相手にするよりは楽だったよ。お利口さん』
ヴィル『·····それなら良かったです。何も覚えてないんですが·····ふふっ、小さくなった私の面倒を見てくれてありがとうございます、フェスタ』
ナカヤマ『·····おい』
ヴィル『あのすみませんわざとじゃなくて·····!え、なんで私、いつもはナカヤマさんって·····!?』
ゴルシ←様子を見に来たら面白いことになってて、大口開けて笑いを堪えてる。
シオン←青春を感じてる。
オルフェ←愉快と思ってる。
ドンナ『( 6 ㅎ v ㅎ∂)』
メノ←どうするべきか悩んでる。
ジャーニー←静かにツボってる。
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───お昼時。
空腹を覚えながら、デジたんはカフェテリアへと足を運ぶ。
(午後は授業がありませんからね·····冬コミも近いですし、トレーニングもオフですしこれは執筆に専念しましょう)
その為にもまずは腹ごしらえです。
推し活をするにも体力が要りますからね。
「まぁあんまり食べすぎると糖質過多で至っちゃうんですけどねフォン?」
瞬間、デジたんの視界にコークスクリューブローを叩き込んできた存在。
トコトコと可愛らしい歩幅でトレーを運んでいる小さいヴィルシーナさんがいるじゃないですか!?
これは何かの試練でしょうか?
何故ヴィルシーナさんがあんなに小さく?why?
危うく至る所でしたよいやそうではなく。
いや落ち着くのですアグネスデジタル·····!
今は冬コミの執筆中·····普段よりもてぇてぇの耐性があります!
こんな所で至る訳には·····!
「·····はっ!これはまずいのでは??」
今はお昼時·····午前の授業で消費した栄養を補おうと、多くのウマ娘ちゃん達がご飯を求め闊歩する今のカフェテリアは言わば食のバトルフィールド。
あんなに小さなヴィルシーナさんはウマ娘ちゃん達の波に飲み込まれてしまう·····!
(デジたんが助けるべき·····!いやしかし絶対いい匂いしますし·····!)
ただでさえ普段のヴィルシーナさんは美しい匂いを漂わせているのに、今の愛嬌たっぷりのヴィルシーナさんなんて、絶対にいい匂いするじゃないですかヤダー?!
マズイ、マズイですよこれは·····!?
「いえ!ここで助けなければ勇者の名折れ!今こそこのデジタルが───フォン!」
危ない、また至る所でした。
でも仕方ないじゃないですか、だってこんな·····!
『シーナ、こっちこい。この時間は混むからな。·····何か食べたいものはあるかい』
『はんばーぐがいいです!』
『ハンバーグならあっちだ。量が多いから無理して食う必要ないからな』
ナカヤマさんがヴィルシーナさんのそばについてるなんて思わないじゃないですか·····!
それもあんなに隣に寄り添って·····!
(落ち着け、落ち着くのですアグネスデジタル·····!このタイミングで新刊を出すのは無謀ですよ?!)
しかし!これを形にしないのはいかがなものでしょうか·····いやまだです!まだ新刊にするにはパンチが足りません!
「冬コミを控えたデジたんの耐久力は普段の1.1倍!簡単には新刊のネタには──フォォン」
あ、ダメです完全に至りました耐えられるわけないじゃないですかだってこんな·····!
『·····意外と箸使えないんだな。歳を考えれば妥当か?仕方ねぇな·····口開けな、ほら、あー』
『あーん·····』
ナカヤマさんがヴィルシーナさんにあーんしてるなんて耐えられるわけないじゃないですか·····!
それにあのお箸はナカヤマさんも使っていたもの·····つまりこれは·····!
(マズイ、マズイですよ·····!このままだと至ってしまいます·····!また閻魔様に怒られちゃいますよ!?)
耐えろ!耐えるんですアグネスデジタル!
これ以上閻魔様にお世話になる訳には───!
『ふぇすた。ありがと〜♪︎』
『はいはい、どーいたしまして。ったく、お前らが変なこと吹き込むから呼び捨てになったぞオイ』
─────────ッ。
「───はっ!危ない!持っていかれるところでした!」
「いや持ってかれてる持ってかれてる持ってかれてる!!」
あ、ダメだったみたいですね。
気がつくと、真っ暗な空間でデスクに身を乗り出して叫ぶ閻魔様。
「すみません·····てぇてぇの波動に耐えきれず·····至っちゃいました」
「至るってなんだよ。しばらく来ないと思ったらいきなりダイナミックエントリーしてきやがって」
「仕方なかったんです·····!あんなてぇてぇを見せられたら耐えられるわけか·····!」
決してデジたんが悪いわけではありません。
この世界にはてぇてぇが多すぎるんです!世界がデジたんに厳し過ぎるんです。
いえデジたん的にはご褒美なんですがむしろバッチこいですが。
「閻魔様。小さいウマ娘ちゃんと、ちょっと素行の悪いながらも面倒見の良いお姉ちゃんウマ娘って·····良くないですか·····」
「知らねぇよ。お前は向こうで何を見てこっちに来たんだ。はっきり言うがな、小娘、お前今ブラックリストに入りかけてるからな?」
「こんなにお邪魔しててまだ入ってなかったんですか!?」
「やかましいわ。頻度が多い自覚があるならもう来るなよ」
おっふ、これは完全に呆れられていますね·····。
流石に反省しないといけませんね·····。
「すみません·····気をつけてはいるんですが·····」
「·····はぁぁぁ·····そんで?今日は何があったんだよ」
「今回はですねぇ!?」
そろそろ個人的な話を持ち出しても、相談に乗ってくれるんじゃないかと思うほどに、閻魔様は優しい人でした。
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