名古屋鉄道6750(6650)系:
3900系(
illust/57120319)の足回りを流用し、1986年に誕生した。
車体は当時瀬戸線で唯一の高性能車だった6600系(
illust/56404443)に似ているが、当初より冷房を備えており、
瀬戸線初の冷房つき車輛となった。これは2両編成2本が製造され、当初は6650系と呼称された。
しかし1990年に登場した車両は6500系後期車(
illust/56978299)を貫通型前面にしたようなスタイルで登場し、
併せて瀬戸線初の4両固定編成になるなど設計変更点が多かった。
さらに将来的には高性能化改造ができるように車体が設計されており、こうした変更点が多いことから
瀬戸側の先頭車を基準とした呼称に改められ6750系となった。
のちに6650系も同様の基準に改めたため6750系と呼ばれるようになるが、高性能車の6600系とは番号の順序と編成の向きが逆になっている。
6600系は瀬戸方が若番なのだが、6750系はその逆で栄町側が若番となっているのである。
1次車は2両編成2本、2次車は4両編成3本の計16両が製造され、名鉄最後の釣り掛け駆動・自動空気ブレーキ
搭載車として走り続けたが、足回りの老朽化とメンテナンスの煩雑さ、加えて運転操作の複雑さなどから
ステンレス車体・VVVF制御の4000系(
illust/56982050)が登場すると先行淘汰されることになった。
特に2次車の車体はまだ新しかったのだが、喜多山検車区から移転した尾張旭検車区には塗装設備が
設置されなかったため、せっかくの高性能化準備工事も役に立たないまま2011年に全廃を迎えている。
それならば本線系統の1000系全車特別車編成(
illust/55929729)の機器を流用して更新すればよかったのでは…とも思えるが、
なにぶん機器に対して車体そのものの絶対数が足りず、それなら3300系(
illust/56261169)同様の車体を新造する方が
安上がりだったのだろう、結局6750系の車体は活用されることなく解体となった。
あまりに勿体なさすぎる終焉であった。